【EA開発者が解説】FX自動売買(EA)で勝てない!?勝てるEAを見極める4つのコツ

投資

FX自動売買(EA)の開発をしているらむねと申します!

結論から申し上げますと、勝てる自動売買を見つけるのは難しいです。

EA開発経験を元に、理由を説明していきます。

こんな悩みがある方におススメ!
  • 成績の良いシステムを選んだのに、収益が出ない・・・
  • そもそも、自動売買で収益って出るの?
  • それでも良い自動売買システムを見つけたい!

自動売買で勝てない原因とは?

過去の相場でのみ勝てるロジックだから

EAを作成する際には、過去の値動きに対して最適化を行います。

最適化の過程で、過去の相場に適応しすぎて、将来の相場に対する柔軟性を失う状態(カーブフィッティングと言います)になることがあります。

過去の相場にカーブフィッティングしたEAでは、以下の特徴が見られます。

  • フォワードテスト(リアルタイムでの運用テスト)の成績が悪い
  • バックテスト(過去の相場データを使ったテスト)の成績が良い
カーブフィッティングしてしまったEA

そのためほとんどのEAが、バックテスト通りの好パフォーマンスを維持しているケースは稀です。

また、販売者が購入を促すため、バックテストの見栄えだけ良くしていることもあります。

この場合はEAを実際に購入して、フォワードテストしてみるまで良し悪しがわかりません。

バックテストとフォワードテストの乖離。

勝てるEAを見分けるのを難しくしている所以が、ここにあります。

Gogojungleでは、バックテストおよびフォワードテストの結果を公開しているので、実際にいくつか確認してみると参考になります。

特定のブローカーでのみ勝てるロジックだから

こちらも、特定のブローカー(FX業者)に対するカーブフィッティングが原因です。

全てのブローカーが同一の為替レートで取引を提供していないため、特定ブローカーに対するカーブフィッティングに陥る可能性があります

為替レートが業者ごとに異なる

最適化に用いることができるのは、1ブローカーの為替レートのみです。

ロジックも、1ブローカーのレートに合わせたものを作ります。

そのため、「あのブローカーでは好調なのに、このブローカーではすごい不調…」ということもよくあります。

スキャルピングのような、微細な値動きの違いを要求されるロジックにおいて、顕著に差が表れる可能性があります。

短期的な負けで諦めていないか?

長期的には勝てるEAが、短期的には負け続けるケースがあります。

相場が混迷している状態では、人もEAも正確なトレードはできません。

どのようなEAであっても、不調は存在します。

下図の例でも、短期的な不調の後、最高収益を更新しています。

不調の後、最高収益を更新した例

短期的な負けが続いているだけなのか、長期的にも負けているのか、精査してみましょう。

EAの賞味期限切れ

「現在の設定が、相場環境に適していない」ケースと、「ロジックそのものが時代遅れ」になるケースがあります。

特に相場のエッジをテクニカル分析によって狙い撃ちするトレード手法は、頻繁に賞味期限切れします。

アルゴリズムトレーディング入門で詳しく解説されているので、興味のある方は読んでみてください!

Amazon.co.jp

現在の設定が、相場環境に適していない

この場合は、もう一度最適化を行うことで持ち直す可能性があります。

最適化を行う期間によって以下の特徴があります。

  • 長期
    • 現在の値動きに対する感度は小さい
      • 長期的な市場感に対応
      • 再最適化を頻繁に行う必要がない
    • 短期的な収益性は低い
  • 短期
    • 現在の値動きに対する感度は高い
      • 市場変化に弱い
      • 再最適化を頻繁に行う必要がある
    • 短期的な収益性は高い

ロジックそのものが時代遅れになる

読んで字の如く、EAの投資戦略そのものが廃れてしまった状態です。

「勝てる」投資手法は、やがて市場に取り込まれて「勝てなく」なります。

この状態でいくら最適化を行おうとも、利益の出る見込みはありません。

勝てる自動売買はどう見分ける?

フォワードテストをしてみる

バックテストの結果が良いからといって、いきなり使い始めるのはリスクが高いです。

実戦で使いものになるかはどうかは、フォワードテストをして確認しましょう

実際にデモ口座で数ヵ月ほど稼働させてみて、様子を見るのがおススメです。

今すぐ使いたい方・より長い検証期間を設けたい方は、ウォークフォワード分析(過去の相場データの半分を最適化に充て、もう半分の期間で、良い結果が出るかどうかをテストしてみる)のも良いでしょう。

自分が利用しているブローカーでもバックテストしてみる

必ず行ってください。

可能であれば、最適化も利用するブローカーの為替レートを使って行った方が良いです。

ブローカーによっては、全く異なるバックテスト結果が出る可能性があります。

利用するブローカーでの結果は、必ず確認しましょう。

EAが不調なのかどうかを判断する

様々な判断基準がありますが、ひとまず以下をチェックしてみましょう!

不調かどうか判断するポイント
  • 最大ドローダウン(保有資産の下落率)がバックテストより大きくなっていないか?
  • 不調期間が、バックテストより長くなっていないか?
  • 最大連敗数がバックテストより多くないか?
  • リカバリーファクター(リスクに対しての利益率)が著しく低くなっていないか?
  • 証拠金維持率がバックテストより低くなっていないか?

これらが必ずしも不調を表すサインになるとは限りませんが、何らかの判断基準を自分の中で持つことが大切です。

バックテストでチェックしたい項目

EAが更新されているかを確かめる

最近更新されておらず、古いままのEAだと賞味期限切れになっている恐れがあります。

EAがしっかりメンテナンスされているかどうか、可能であれば確かめてみましょう。

更新情報が見れなかったとしても、製作者が利用者の質問に回答しているか等も参考になります。

まとめ

勝てないEAの特徴としては、以下の通りでした。

  • 過去の相場でのみ勝てるロジックになっていて、フォワードテストの結果が悪い
  • 特定のブローカーの値動きに合わせたロジックになっていて、他のブローカーで使い物にならない
  • 不調ゾーンに入ってしまっているから

勝てるEAかどうか見分けるには、以下をまず行ってみましょう!

  • フォワードテストをしてみる
  • 利用予定のブローカーの相場データでバックテストしてみる
  • バックテストの結果が、運用中の結果より悪くなっていないかチェックする
  • EAが更新されているか確かめる

コメント

タイトルとURLをコピーしました